通変星は10種類だから、
星の特徴は10パターンってことかしら・・・?
通変星(つうへんせい)の種類は10種類なので、「星の特徴は10パターンある」。これは正解でもあり不正解でもあります。
なぜなら、通変星の星一つとっても、深い読み解き方ができるからです。深く読み解けば、単純に10パターンとはいきません。なので不正解でもあるのです。
通変星を深く読み解くには、「通変星がどの十干の組み合わせで出ているのか?」を知る必要があります。
- 通変星は十干の組み合わせから出来ている
さて、このポイントを踏まえて通変星の読み解き方を紹介していきます。
- 通変星の十干を確認する方法
- 通変星の読み解きに、十干の組み合わせが大切な理由
- 十干から通変星を出す方法
通変星の読み解きに十干の組み合わせが大切な理由
通変星の読み解きに十干の組み合わせが大切な理由は、同じ通変星でも、組み合わさっている十干の種類で特徴や雰囲気が変わるからです。
- 通変星は組み合わせの十干によって特徴が変わる
ここで、四柱推命の命式の基本を簡単におさらいです!
四柱推命の命式は、生年月日と生まれ時間から出します。命式には通変星という星があり、この星は2つの十干の組み合わせで種類が決まります。
通変星の星の種類はこちらです。
通変星の種類 | ||||
---|---|---|---|---|
比肩 | 食神 | 偏財 | 偏官 | 偏印 |
劫財 | 傷官 | 正財 | 正官 | 印綬 |
通変星のキーワードはこちらです。
通変星の種類 | キーワード |
---|---|
比肩 (ひけん) | マイペース・頑固・束縛を嫌う 職人気質・自分が看板・一匹狼 負けず嫌い・わが道を行く |
劫財 (ごうざい) | 社交性・策士・向上心 欲しい物は必ず手に入れる 明確な目標が必要 |
食神 (しょくじん) | おおらか・楽しい事が好き 楽観的・子供・駆け引きが苦手 衣食住・音楽 |
傷官 (しょうかん) | 美意識に敏感・お洒落・毒舌 感情の起伏が激しい 手先を使うのが得意 |
偏財 (へんざい) | 人脈が広い・回転財・お人よし 騙されやすい ギャンブル・浪費家 |
男性なら恋愛運 | |
正財 (せいざい) | 誠実・真面目・家庭的 貯金・堅実・慎重・信頼関係 |
男性なら結婚運 | |
偏官 (へんかん) | 行動的・攻撃本能が強い 短気・セールス・人情家 頼られるとはりきる |
女性なら恋愛運 | |
正官 (せいかん) | プライド・名誉・責任感・几帳面 社会貢献・世間体を気にする |
女性なら結婚運 | |
偏印 (へんいん) | 外国・放浪・自由奔放 知的好奇心が旺盛・医療関係 占い・IT・飽きっぽい |
印綬 (いんじゅ) | 習得本能・母性愛・理屈 人に教える・勉強 頭で考え過ぎる・実行力に欠ける |
通変星は10種類なので、代表的な特徴を上げると10種類に区分されます。しかし、一つの通変星には、10パターンの十干の組み合わせがあります。
ということは・・・
一つの星でも、細かく鑑定すると10パターンの特徴に枝分かれし、同じ通変星でも個性や特徴も変わってくることになります。
このため「どの十干の組み合わせでその通変星が出ているのか?」を見ることは、星を読み解く上で大切です。
つまり、十干が意味するものを知らないと深く読むことは出来ません。
十干が意味するものは下の通りです。
五行 | 十干 | 意味 | 十干 | 意味 |
---|---|---|---|---|
木 | 甲 (きのえ) | 大木 ご神木 | 乙 (きのと) | 花・草花 |
火 | 丙 (ひのえ) | 太陽 | 丁 (ひのと) | 月・灯 |
土 | 戊 (つちのえ) | 山 | 己 (つちのと) | 田畑 |
金 | 庚 (かのえ) | 鉄 刀 | 辛 (かのと) | 宝石 砂金 貴金属 |
水 | 壬 (みずのえ) | 海 大河 | 癸 (みずのと) | 雨 雪・霧 |
つづいては、通変星の十干の組み合わせについて紹介していきます。
通変星の十干の組み合わせの確認方法
通変星の十干の組み合わせの確認方法は、下の参考命式の赤と黄の枠の十干を確認します。
- 通変星は赤枠の十干×黄枠の十干で種類が決まる
命式の表の上の段にある通変星は、下の組み合わせから出ています。
- 庚×辛=劫財
- 庚×己=印綬
- 庚×庚=劫財
上の段の通変星の組み合わせ
命式の表の下の段にある通変星は、蔵干の行にある十干との組み合わせから出ています。
下の段の通変星の組み合わせ
- 庚×丙=偏官
- 庚×戊=偏印(倒食)
- 庚×己=印綬
- 庚×癸=傷官
ちなみに上の段の通変星は、普通に通変星と呼ばれ、下の段の通変星は蔵干通変星 (ぞうかんつうへんせい) と呼ぶのが正式です。
しかし、この2つをいっしょくたに通変星と呼ぶことが多いです。
この見方を覚えておくと、通変星が「どの十干の組み合わせで出ているのか?」が分かります。
- 十干が意味するもの
- 通変星のキーワード
- 通変星は十干の組み合わせで出すこと
- 通変星は1つの星でも10パターンあること
- 通変星と蔵干通偏星があること
十干のもっと詳い情報は、下の記事をご覧ください。
【例】食神の十干の組み合わせを確認してみる
では例として、通変星の食神という星は、どのような十干の組み合わせパターンがあるのか、通変星表を使って確認してみます。
- 日中十干が甲で、合わさる十干が丙
- 日中十干が乙で、合わさる十干が丁
- 日中十干が丙で、合わさる十干が戊
- 日中十干が丁で、合わさる十干が己
- 日中十干が戊で、合わさる十干が庚
- 日中十干が己で、合わさる十干が辛
- 日中十干が庚で、合わさる十干が壬
- 日中十干が辛で、合わさる十干が癸
- 日中十干が壬で、合わさる十干が甲
- 日中十干が癸で、合わさる十干が乙
表にすると、食神の組み合わせは下の通りです。
食神の十干の組み合わせ | |
---|---|
日柱の十干 | 合わさる十干 |
甲 | 丙 |
乙 | 丁 |
丙 | 戊 |
丁 | 己 |
戊 | 庚 |
己 | 辛 |
庚 | 壬 |
辛 | 癸 |
壬 | 甲 |
癸 | 乙 |
通変星は必ず日柱の十干をベースに見る!
このように、同じ食神という通変星でも、十干の組み合わせは10通りです。
食神のキーワードは「おおらか・楽しい事が好き・楽観的・子供・駆け引きが苦手・衣食住・音楽」などです。
ですが、このキーワードだけで捉えずに、十干の要素も含めてイメージすれば、よりその人らしい食神に近づきます。
食神を具体的に鑑定してみる
ここからは、食神を具体的に鑑定してみます。
例えば、甲と丙の組み合わせの食神の人と、乙と丁の組み合わせの食神の人が、具体的にどう違うのか?を検証してみます。
- 甲×丙=食神
- 乙×丁=食神
十干の写真を見ながらイメージしていきます。
➀ 甲(大木)と丙(太陽)の組み合わせ
➁ 乙(草花)と丁(月)との組み合わせ
食神の星を持っている人は、音楽に興味を持ちやすいと言われています。
そこで、①のタイプと②のタイプの食神の人が、それぞれ音楽が好きという共通点があったとします。でも、①の食神の人と②の食神の人では、好きな音楽のジャンルが違いそうですよね?
このように、食神という共通の星でも、十干の組み合わせで、その人の好みの傾向などが変わってくる訳です。
このような理由から「どの十干の組み合わせなのか?」という事を念頭に置き、通変星を解釈することが大切です。
十干から通変星を出す練習
ここからは復習をかね、下のサンプル命式を使い、十干から通変星を出す練習をしてみます。
まず抑えるポイントは、日中の十干です。
- 通変星を出すベースは、日柱の十干 (赤枠) の庚
通変星は、「日柱の十干」と「時柱・月柱・年柱の十干」との組み合わせで種類が決まります。
分かりやすいように図にすると下の通りです。
- 庚×辛=劫財
- 庚×己=印綬
- 庚×庚=比肩
通変星表で、下の図のように確認して通変星を出します
次は、蔵干通偏星を見ていきます。
蔵干通変星の組み合わせは「日柱の十干」と、蔵干の行の「時柱・月柱・日柱・年柱の十干」との組み合わせです。図にすると下のとおりです。
- 庚×丙=偏官
- 庚×戊=偏印
- 庚×己=印綬
- 庚×癸=傷官
通変星表で、下の図のように確認して通変星を出します。
十干から通変星を出してみる練習でした。
四柱推命で命式を出す際は、通変星も十二運星も、日柱の十干がベースとなります。
命式を読む際は、いかに日柱の十干が大切なのか、このことからもうかがえます。
以上、「通変星は十干の組み合わせを見ることが大事な理由」と「実感から通変星を出す方法」をお伝えしました。
- 通変星の十干を確認する方法
- 通変星の読み解きに、十干の組み合わせが大切な理由
- 十干から通変星を出す方法
お読み頂き、ありがとうございました。次回記事にてお会いしましょう。